外れに 攫(つか)みし 一縷の望み 沈(しず)くも 泛(うか)ぶは 涙(なだ)すら 零(あや)す 飯櫃(いびつ)な 刻よ 魂(たま) 呼ばいて 贄(にえ)す 産子(うぶご) 釁(ちぬ)らる肝に 香(こり)が 揺らめいて 薫(くゆ)る 魄(たま)の 甦(かえ)す 愛子(まなご)よ 最早 冥慮(めいりょ)は 要らぬ 呼べども 応えぬ 黙(しじま)の 哀れ 空(うつろ)な 蛻(もぬけ)の 産衣(うぶぎ)を あやす 飯櫃(いびつ)な 刻よ 魂(たま) 呼ばいて 贄(にえ)す 産子(うぶご) 釁(ちぬ)らる肝に 香(こり)が 揺らめいて 薫(くゆ)る 魄(たま)の 甦(かえ)す 愛子(まなご)よ 最早 冥慮(めいりょ)は 要らぬ 甦る 愛子 切なる肝よ 何れ 屠ららば 同じ事ぞ 勾引(かど)ふ 贄子よ 最早 憂慮は 要らぬ