ああ、 このまま君にも秘密のままで、 世界を書き 換えてしまおうとしたのに、 イメージを傾け描いた虚構が、 君にしか見えない。。 単純なことを思い出せなくて立ち 戻るページには、 姿かたちのないあの日の 答えがあるって。 でも進めない挙句勘違いさえも 許されない。 そんな時代に。 焼きまわしのプロパガンダの 網をすり抜けて、 君に会いに行くんだよ。あーあ。 だから狂信的な愛を携えて、 夜を探れ、夜を探れ! 波音もない世界を描く虚構で、 進むことさ、進むことさ! 地下を這いずる 亡者どもに混じって、 積年の怠惰を振りかざす君の上に、 崩落する空の切れ目。 覗き込んで肩を 落としたあの時代の君は、 知る由もない簒奪(さんだつ)を 歌った歌と暮らした。 僕はペンを進めて虚構を深める。 「ああなんてほの暗い 夢だろうね!」 そう、 なので君のことも騙してしまおう。