閑散がらりと暮れていた 鉄塊を眺めながら チャイムの音 思い出していた ブラックシープの只の夜 どうかまだ続きますように 心臓を狭めたまま 楽園を独りで見ていた グラウンドループの渦の中 片脚立ちの女が嗤った 「不甲斐ないなんて笑わせないで」 簡単な事さえずっと未解決なんだ 笑わないで この哀も愛してくれるのが 貴方だった それだけだった 遊園の終わりは 覆らなかったでしょう? 手を伸ばした縹渺な明日が 背をなぞっては憂いになった 声を吐いた瓦礫の前でただ 居なくなった貴方が浮かんだ いつか きっと騙せるかしら 目が眩んだら笑えるかしら 涸れたままで息が続く寂しさを 忘れさえすれば楽だって 妙な声で嘯きながら 通りすがりの古びた情は シャットアウトに尽くしている いい加減ね 自分さえ 空の頭に隙間ないみたいだ ずっと いつからか 何も棄てられずに 身体の重さを嘆くまま 片目瞑った鸚鵡が返した 「痛い痛いなんて 馬鹿みたいね」 簡単な事だけもっと聞かせて 欲しいよ 捻らないで 鈍感と対して残るのは痛みだった 心根だった 終焉の奥に どんな続きが残ったでしょう? 視界の端で崩れる街が 今日はなんだか鮮やかだった どうかそっと記憶も痛みも 崩れるように消えてと願った 絡みついても癒えるかしら 壊せないまま笑えるかしら 涸れた心 棄てられずただ朝を怖がっていた 想像は絶えずに痛いのに 状況は転じもしないのに 錆びついた屑は崩れるのに 声はもう届きもしないのに いつか見た情操のせいで 貴方を憶えているせいで 心臓が今もまだ脈を 手を伸ばした縹渺な明日が 背をなぞっては憂いになった 目を逸らした冀求の裏でまだ 縋るように貴方が浮かんだ いつか きっと騙せるかしら 目が眩んだら笑えるかしら 涸れたままの痛みも 呼吸も 手を繋いだいつかの声が 呆気ないまでに遠ざかった これできっとお別れねって ただ陰りゆく街を背に零した いつか安堵は見えるでしょうか 目は眩んでも残るでしょうか 貴方がこの手に残した温もりは