誰に誘われて ここまで来たんだろう 風の便りなら 変わらず 届いているよ 似てることが 嬉しくて 似てないところは 羨んで 待ちわびてた わけじゃないのに そんなものだと 笑いあう いつか あなたが見えなくなって どんな言葉も 無力になって そんな日が来たら… なんて 悲しみを先読むのはやめて いまは つよく 心繕い 今夜は きっと 月が綺麗ね あれから時々 胸の真ん中を チクチクと刺した 縫い針ほどのジレンマ 転がりだした ふたりの時間は 雪玉のように 膨らんで 気付きながら だけど知らんぷりで 痛いところを 隠してゆく もしも あなたが見えなくなって どんな言葉も 無力になって そしたら 悔やむでしょう?って 思えば何度も 言い聞かせて いまは どこか 心許なく 揺れる わたしを 月は見ている そして なんにもみえなくなって ふたりの時間は すべて 溶けた 顔も 名前も 知らない あの頃には戻れないけれど いまは ひとり 心静かに 赤い 大きな 月を見ている 誰に誘われて ここまで来たんだろう 風の便りなら 変わらず 届いているよ