灯のそばに集まる夏の虫のように 僕らは これといった目新しさなどない このナイトクラブへ なんとなく誰かが僕の前を 先まわりして 大切な何かがあるとすれば それを全部 一つ残らず後も残さず 買い占めてしまうような 悪い予感とやまない雨が 僕を落ち込ませるのさ ここにいる何人かはおそらく 問題を抱えてる 好きでもない女性に手当たり次第 声をかけて カウンターの中で店の主人は 僕が帰るのを待ってる さっき頼んだはずの料理も 作る気配さえないのさ そんな ナイトクラブ あまりにも息の合ってないバンドが 奏でる音楽に つられるように深く深く沈んでいく 夜の中へ 一人残らず後も残さず 夜明けと共に消えてく 生温い空気と余計なジョークが 僕を苛つかせるのさ いつも ナイトクラブ 駐車場にいつも停まってる車の 後部座席から 僕を見ている黒いハーフコートの 紳士は誰だ