1度目は高校2年生 先輩が厳しくて部活が辛かった 教室にも居場所はないみたいだった ただ逃げる場所も方法もなかった 毎日 この自転車の車輪の様に何も 考えず坂道を上っていた いつかこの生活に終わりが 来るまでの我慢比べ 財布に現金はカツアゲされるから コンビニで使える プリペイドカードと テレフォンカード ここで挫折してしまえば向こう人生 50年 挫折してしまいそうな ばあちゃんが作ってくれた 弁当をひっくり返され それでもこの口からは何も言葉が 出ない こんなにも辛い辛い日々を 抜けていくのかと これが全て終わればきっと 天国じゃないかって 今の自分が地獄にいるように感じ 悔し涙で目を覚ます 誰しもが命を削っていることを 今日も今 今この瞬間も 「命を削ってライブしてるんだよ」 客席のオレも思った 「命を削ってライブを観に来た」 それは立場変わり あの日の削った 命の上にこのステージからの眺め 明けない夜 止まない雨 両膝ついて それでも この最悪を越えていけ 2度目は大学1年生 辛かった高校を抜けた先の 自由が大き過ぎた そこで何も出来ない自分が小さく 感じた 理由の分からない焦燥感に 蝕まれていた 何か始める事が出来たら 天国かもしれない 自由以外に何もない地獄にいる 気がした もどかしい CDショップで何者でもない自分は 見えない努力の先にある成功を 掴んだ同世代に嫉妬し 自分と向き合う時間が永遠に続いて 行くのか このままではだめな 事以外何もわからなかった ただ1つ同じ削る命なら手を伸ばせ レトルトご飯に目玉焼きを乗っけて 初めて買ってもらった携帯電話 4和音の着信メロディに気持ちを 乗せて ラップを始めた 誰しもが命を削っていることを 今日も今 今この瞬間も 「命を削ってライブしてるんだよ」 客席のオレも思った 「命を削ってライブを観に来た」 それは立場変わり あの日の削った命の上に このステージからの眺め 明けない夜 止まない雨 両膝ついて それでも この最悪を越えていけ 3度目は社会人1年目 新卒で入社した会社がブラック企業 でも、 あの時の自分にはあの会社が 社会そのもので 社会に出るというのはとても 辛いことだと思った 辞めようと思ったけれど、 新卒のブランドが中途に変わるとか せめて3年は働かないと 履歴書の汚点だとか あることないこと言われここも 地獄か 好きな事を仕事に出来たら 天国かもしれない 今までと違いここからは終わりを 自分で選べる分 そのタイミングが分からずに 1度決めたら向こう 40年の人生が左右されるみたいな でも、 このままだと向こう 40年ずっとこのままじゃないかと 何となくあんなに嫌いだった 高校の先輩に相談してみた やっぱり相変わらず最悪だった 社宅でレコーディングしてみた 翌日、 会社の人事総務部に苦情で呼び 出された 翌月、 社会に背を向け東京に上京した あの日の削った命の上に このステージからの眺め ここは何度も最悪を越えた 両膝をついても今は前を見る この最悪を越えるものはない 自分以外には