見かけたようなすれちがったような ふと香った金木犀の花が 振り返れば足元一面 橙色に染まる風の魔法 優しい声 景色の向こうで 鳴り止まない 時計の針の音が 本当の今 感じさせてくる 優しい声だけ 聞いていたいのに まどろんでいたの 今の今まで 夢の奥の奥で咲く花を摘んできたの ずっと揺れて漂って この狭間の海に溺れていたい 目が覚めたと起き上がってみたら 違和感なく 何かが間違ってる あるはずのないステンドグラスや いるはずのないあなたが笑ってるの どうかこのままで 時計の針よ 今は本当の時を知らせることなんて しないでよ 藤の花に隠されたなら 目を開けてあなたに電話をしよう まどろんでいたの 今の今まで 夢の奥の奥で咲く花を摘んできたの ずっと揺れて漂って この狭間の海に溺れていたい