静かに揺れゆく 星屑の雨 秋の夜更け 濃紺の中 甘くたゆたう夜の花 こぼれ落ちる欠片 両の目で受け止めきれずに 夜着飾った コスモスの花 淡く照らす光に乞うの 「何億光年前の私はどう 見えてるの」 「幾億光年先へ この声は届くの」 夜の果てへ消えぬようにと咲く コスモスの花 星あかり纏い あなたへ届くようにと背伸びをして 遠くのあなたの照らす光は もうすでに枯れ尽きていても ここに立つ花は夜空を見つめる 点と点を結って星座の橋を 指でなぞって 降る星たちを 目で追いかけて あなたを見つけ そして乞うの 「何回すれ違ったら この光は交差するの」 「あなたの見る夜の空の 欠片に私はなれるの」 夜の果てへ伝うようにと 声奏でてみた 星あかり纏う コスモスの花びらに揺らぎ合わせ 遠くのあなたを照らす光に 私じゃなれないとしても ただ咲くだけさ 星屑に紛れて 星座の一片になれなくても 華やかな空に潜むだけでも 誰かのために何かのためにと思って 咲いてるんじゃなくて スピカのように素直に「すきだよ」 と言えれば楽なのに でも今は ただ今は 夜の果てへ消えぬようにと咲く コスモスの花 星あかり纏い あなたへ届くようにと背伸びをして 遠くのあなたの照らす光は もうすでに枯れ尽きていても ここに立つ花は夜空を見上げる 夜に向けて声散らして 花びらかき集め 想いの形 歌でつないで 枯れゆくまで あなたの夜空の一等星目指して ここから歌う私 あなたに届けコスモス