背伸びする人混みに溶け 行き場の無い溜息飲み込んだ 夜においてかれた僕は 散らばった夏の欠片 探し続けた 街の灯りは足元を照らすから 躓かないようにと僕はまた 伸びた影を見つめた 色とりどりの灯りが空に散った 夜はもう終わりと、告げる雨が降る かざした手がなぞる放物線 落ち行く光を空が攫った 僕らを。 どこへ向けて進むかも 過ぎゆく夏の香りに任せた 何年も同じ空を見上げ 僕らは何を見つけたんだろう 瞬いたら 過ぎてた そんな毎日 夜に沈む息 色づく空 響く拍手も 少し眩しすぎた。 片道切符を手にした僕ら どこへも届かない 堕ちる夏灯り 戸惑いながら夜空をめがけ征く 瞬く光は まるで花火だね 僕らも。 揺蕩う夜の空 漂う線香の香りと 散る花びら 今年もまた変わらず空を駆ける 僕らも花火のように 片道切符を手にした僕は 誰かの灯火に なれるだろうか いつか花びらが散るその最期も どこかの空に咲く 花火のように なれたら。