飛び乗った深夜バスの 暗い窓に映る 不安げな顔をただ 見つめていただけの夜 あても無いまま降りた 明け方のターミナル 荷物一つ抱えて 踏み出したあの日から 今日まで昇る朝日の中を 歩いて来たんだ こうしてここまで 歩いて来たんだ 蹴つまづきながら 歩いて来たんだ 尻込みしながら 歩いて来たんだ あのターミナルから 差し込む日の光りが まだ動き出す前の ガラスの街を照らし 始まりの時を告げる 深く息を吸い込み ゆっくりと吐き出して 薄汚れた靴紐を 固く結び直して きらめくアスファルトの道を 歩いて来たんだ こうしてここまで 歩いて来たんだ 胸を張りながら 歩いて来たんだ 笑い飛ばしながら 歩いて来たんだ あのターミナルから