まだ寒えそうに 幼く あえかに咲いた花が 傷む 私の胸もとへ舞い落ちた たとえば 失くした待人が 現れてくれたのならば つい、重ねた 欠けた雲の裏側 かなしみが揺れると あなた想い出す さよならだけでは 届かないこと 真すぐに翔び上がれば 陽射しに交ざれ 離れて、離れて 羽根を下ろせば 美空は 私だけの姿を 包んでいた 淡く 溶けてゆく記憶が くちびるを乾かして 雨降る町で 私、はぐれてしまい たとえば そのまま 追いかけるようにして 誰も知れない気持ちを さよならだけでは 届かないこと ゆるめた結び糸と 風にゆだねて 離れて、離れて 目を伏せようとも 美空は 私だけの姿を 包んでいた 晴れ渡るような未来へは これを連れてはいけないか 涙を閉じこめた 大切なこころは あなたこそ 私の痛み 私を生かしている あかし 別かれてしまえない空のよう 満ちる雲の行方を かなしみが散らすと あなた想い出す さよならだけでは 届かないこと 真すぐに翔び上がれば 陽射しに交ざれ 離れて、離れて 羽根を下ろせば 美空は 私だけの姿を 包んでいた 溢れたひかりは あなたでしょうか 変わらない空 ただひとりを包んでいた さよなら、決してもう 離しはしないさ