「100歩譲って、、、」 100歩譲ってばかり言ってたら いつの間にか 1000歩くらい譲る様になってて そこから先は譲った歩数すら忘れ 底が見え始めて気付く その頃には年も40を越えてて 信じた才能にも努力にも限りが見え 始め 重ねたかすり傷は癖と呼ばれ 飲んだ酒が昨夜をまだ引きずって 井の中の蛙 足元も干上り 喉を乾かす BGMにしてたヒーローには適わず どうでも良い事で笑うのに 自分のこととなると笑えず 真っ直ぐ伸びることを期待された 芽はまだ出ず 身の丈を知り過ぎた言い訳をまた 消す This is 粗削りに憧れ 繊細な身からメッキ剥がれ落ち 1歩も譲れないものがあった その裏にはそっと消えてった 99歩があった 恥ずかしいくらいに調子に乗って 「なるようになる」 なんてまるで何か諦めたみたいで 「なれるようになる」 とたった1文字しか違わないのに ずいぶんと自分を 遠くに追いやったみたいだ 正直、 大人はこんなに 悩んだりしないものかと オレみたいな独身で家庭も 持っていないと尚更 悩みなんてないと 思われがちの会社の給湯室で 沸騰した湯気の先で待つ3分間は 必死に伸び悩んだ気持ちに無理矢理 フォークを刺す様な 聞こえてくる同僚の話声 「今年のFUJI ROCKは 7/26だから今から 休暇申請しようかな」 一通りやってみた気がする がんばれるだけがんばった気がする ルーキーでもなければ ゴーゴーでもないけれど このオーディションの応募ボタンは 100歩譲らずクリックした 大歓声はまだ聞こえないけれど 少なくとも自分の中で 歓声があがった この歓声を頼りに そこに偽りはなく この歓声が大歓声に変わる瞬間を ワクワクしながら 選ばれるのをただ待つ 初めてこの応募ボタンを クリックした日は その何十倍ものハローワークの応募 ボタンをクリックしてた 手を上げずに選ばれることなんて きっとオレには 無いんだということだけはわかって たつもりでも どこかから声がかかる事を 期待していた カレンダーのスケジュールはそんな 期待で埋まっていた でも、 手も上げず待つ 期待のスケジュールは 出演アーティストのラインナップ 発表が 終わると同時に訂正線が 引かれていった 期待に引いた訂正線は 翌月のカレンダーに跡を 残すくらい強い筆圧で その訂正線の数だけ誰かが 自分のことを 見ていてくれてることをただ願った 応募ボタンを 経由せずに呼ばれたかったから オレもあのラインナップに肩を 並べたかったから 「狐火はまた オーディションに応募してるんだ」 なんて思われる事が恥ずかしいと 思ったから ただ手を 上げずに選ばれることなんて 無いんだから そして、 手を上げ続けたって選ばれるのは 一握りの中の一握り 期待に引いた訂正線よりも 強い筆圧で描いたこのリリック これさえあれば これだけあれば 一生分の履歴書に 相当するこのリリックがあれば 胸を張り誰よりも高く手を上げる 事が出来る ここで1歩も自分を譲ることなく なれるようにやる なれるようになる なるようになるよりも なれるようにやる なれるようにやる なれるようになる なるようになるよりも なれるようにやる 年内に親知らずを4 本抜歯することになり 毎月1本づつ抜歯する スケジュールが フジロックの期間と重なっていた もし秋になる頃に口の中にまだ 親知らずが残っていたら 今回訂正線を引いたのは フジロックじゃなくて 抜歯のスケジュールの方だったいう 事になる それか抜歯が恐くてオレが逃げ 出したか 先生の 「痛かったら手を上げてください」 という言葉が耳に残っていた 春先の歯医者の診察台から思い切り 手を上げ見据えた苗場 なるようにやる なれるようになる なるようになるよりも なれるようにやる
