ねぇ、 起きたら朝日が出ているでしょ それが眩しくてさ嫌になるけど 少しずつ目が春めくから 焦らなくていい、風ゆく儘。 手に取った花束は誰のため 華やかであるほど僻んでいくの 確かな夏の残り香だけ 日照り雨、ささない傘 瞬き、その刹那見えるもの 微かに思い出して 等しく過ぎていく日に 前を向く季節と貴方がほら 絶えず香る花の 様であってと願った そんな朝も。 「神様…」と、連ねる願いの日々 恐れず手向けた素直(ことば)は枯れ 秋入梅(あきついり)、騒めく町角 濡れる紅葉、晴れない空 訝しげに咲く菊の花も 微かに蘇る 一つずつ埋めていけば 夕空の冬が彩付いてく 絶えず木霊している また消えては儚む美しさが 嗚呼 一つずつ 等しく過ぎていく日に 前を向く季節と貴方がほら 絶えず香る花の 様であるの、 と知った そんな朝も。