窓辺の囀りと朝 目が覚めたの 虚な涙と 踊る、光 あの日の喧騒とは 違う部屋が ふと空白で胸を裂く 掠れる 声が 浜辺に 響く。 蟠りを忘れ 変わらない 街を 横目で流して 過ぎ去っていく私 只、目途なく歩く 憂さ晴らしの 閑静な日よ 吃な唄を 癒して 落とした声も 海辺の頬を独りなぞる ダサい鼻歌滲んだ記憶だけ ずっと狼狽え拒んでいた ずっと詠わず黙っていたあの日も 隠すように 日傘と歩いた。 亡くしたい物だらけ、 また陽が隠れた 戦ぐ声さえ胸に染みる 白波も立たない嘘。一つ摘んだ きっと、空を隠すのだろう -朝、私は気がつく 海は広く 単調な波 平穏な砂 残して 色褪せた青だけ- 月日は進む 歩けども 悩んでいても 壊してでも 朦朧とした夜は歪む いずれ風邪も季節と移ろい逝く あの日に向かって叫んだだけ そっと踏み出す向こうに続く道に 思いを 散らして歩いた