後日談ならばともかく 未だ、僕は物語の真っ最中 冷めやらぬ熱を冷ますため 足りないのは理性の分銅 極彩色にいま、弧を描く 鋒に触れた切り傷の その患部が塞がらなくて もうガーゼも目もあてらんない たったひと匙くらいの青春を 味もわかんないくらいに 何倍にも薄くして! 括ったはずだった腹から 綿が溢れてしまうから あわや大惨事! ほら、奪い去ってみせて 骨の髄の髄まで ただ大きく口開けて待ってれば 誰か放り込んでくれるのかい 腐敗はしたくないね なら、スパイスを足して 噂通り、本当に 幸福が雑味の元なのか 確かめてみたいだけ 上手いことやろうぜ ベイベー 万病に効く薬の前に そいつを流し込む水が欲しい 判り切った重さを秤に乗せんのは 少しだけ酷ってもんさ 必要に駆られ僅かばかり 鎬を削っただけなのに 散る火花を眺めていたら 勘違うのも無理はないな 最後のピースが物陰で 埃をかぶって泣いてる 救った気になったままなら 毒は回り続けるだろう 喰らわば皿まで 君にゃ勿体無いくらいの 美味を平らげただけ 口に合うかどうかもわかんないし そこまで貶される謂れはない 失敗はしたくないね けったいなテーブルマナーで 失礼のないように 振る舞ったなら 振る舞っただけ 胡散臭いったらありゃしないぜ 同じテーブルを囲んで 同じ鍋のスープを啜って そんな僕らのままで居れたら 良かったのにな 恥晒したって 猫舌の所為にして もう少し待ってくれ 目の前に落としたカトラリーを 拾い上げるまで 毒味を済ませた自慢の一品が いざ豪華に盛られると こんなにも塩辛い その訳を 教えてくれよ先生 教えてくれよ先生!