甘い誘惑の口どけ 古びた地図が指した緯度/経度 襖の向こうのエメラルドの色気 触れれば消えてしまう薄い碧炎 僕は怯える 水面に見える 雪を占める 深く長い亀裂 僕の言葉は意味を失なった 無力さの陰に囚われてしまった 「雨は止んだか?」僕は尋ねる 「降り続いている」と車掌は答える 君に差せなかったままの傘が見える 僕はそれを持たずに街に溶ける 渇きには雨じゃ足りない 雫はこの今を変えない 僕は完璧を望んだ 玉は原石のままだ 苦く崩れるように 割れて溶け始めた氷 君に続くはずの通り 弱い風に倒れたのぼり 柔い声がする方に 浅い靄がみせた望み 僕は期待の虚しさに気づく 僕は言葉の中に沈む 椿柄は淡く褪せ始めた 風に揺らいだ赤い袖を愛でた 散るを美しくあるためには 欠かせない魅惑の影を観てた 君の白く小さな手は 僕に儚い夢を見せる映画 火がついた時にはもう 僕は逃げ去ることしかできない 胸の痛み 君をさらう波 憂いを保存している物は何 月が僕を夜に押し込めるために 全部図ったいたずらな叫び 僕が背を向け続けていること どこかで水は流れていること 僕の腕は短い 星までの距離を知りたい 苦く崩れるように 割れて溶け始めた氷 君に続くはずの通り 弱い風に倒れたのぼり 柔い声がする方に 浅い靄がみせた望み 僕は期待の虚しさに気づく 僕は言葉の中に沈む
