朽ち果てた街で君のいない朝 温かくも生を感じない肌 魂を載せて飛ぶマザーシップ 世界の亡骸で僕は生きる 微かな声を辿って超える 世界と夢の地平線 DNAの螺旋に絡んだコードを 断ち切るための錆びついた剣 閉ざされた瞼に泡沫のキスをする 流れる血のぬくもりを 忘れた君の瞳の 輝きを信じ抜くまでは 神が創りし世界は あくまでも神が支配者 君が捧げたシナプスを辿って 歩むここは修羅の道 戻れない旅路 自分が自分でいることを 忘れてしまう感覚が 思惟を犯す 蛋白質の組織の深くに 不覚にも侵入する電子の影 意識の果て 心を縛る枷 祝福を授けるように降る雨 閉ざされた瞼に泡沫のキスをする 流れる血のぬくもりを 忘れた君の瞳の 輝きを信じ抜くまでは 水を得た魚が泳ぎだす時 その冷たさを思い出すのに 被食者としての定めを 捨て去ることの幸せを知らず 形の定まらない月に眩暈 報いを渇望し殺し合う世界 遥か彼方まで続く闇 君の声は散り散りになる 閉ざされた瞼に泡沫のキスをする 流れる血のぬくもりを 忘れた君の瞳の 輝きを信じ抜くまでは 生きることの正解 本能に依る性愛 悲しみの限界 忘れられた原罪 流れてく人混みのなか 埋まってく僕の記憶の狭間