降りしきる雨 変わらぬ空模様 灰色の街の中で あの人に出逢った 私には気付かずに 通り過ぎる足音 そっと声をかけて振り返る 楡の木の下で このまま少しだけ 時計が止まればいいのに 何気ない言葉が耳元を擽ってく 閉じた傘から落ちる 雨水でつづる恋文 「少しずつ 少しずつ 好きになっていきます」 降り続く雨に 儚いこの想いを霞ませて 降りしきる雨 午前零時の鐘 あの人 今夜は何をしていますか 熱い紅茶の中 くずれてく角砂糖 私の心にも広がる 甘い記憶 眠りにつく前は 夜空を眺めて思い出す 檸檬の様な月に恋心打ち明けて 曇った硝子窓 溜め息でつづる恋文 「少しずつ 少しずつ 好きになっていきます」 真夜中の匂いとやさしい雨の音に 目を閉じる