夏の終りの水平線と甘い潮風 髪を短く切ったばかりの 肩を通りすぎた 海辺を走る貨物列車が 運んで来たメランコリー 貝殻の中隠した涙と くちづけのプロローグ 海よりも青いひと夏の… 今、カーステレオから 流れ出すメモリーズ 波の音 君のうたう声 夏の終りの誰そ彼時が とても淋しいと 風に飛んだ 麦藁帽子の影を追いかけた 浜辺を走る赤いペディキュア さざ波を編んでゆく 忘れかけていたお伽噺の 人魚姫のエピローグ 海よりも深いひと夏の… ああ、追憶の彼方聴こえてくるのは 波の音 君のうたう声 いつかはこんな風に 終ることわかっていた 短い季節 泡の粒は海の底へ消えていった もし、君が魚でも見つけられると 何度も呼んだ名前 今は何処でうたっているの