今はまだあなたを 思い出にしたくはないの もう戻らないことわかっているわ 銀色の星座が今夜街を通り越したら 河の向こう岸まで 朝焼けの中包まれた 春の記憶が風に戻され 二人は離れたはずなのに 涙が急に溢れた 君ともう一度今 二人が過ごしていた街の移ろいに 少し淋しくなって 過ぎた季節を数えた もう知る人のいない駅舎で私 懐かしい人の姿浮かべた 一人で過ごす日々に すぐに慣れるはずなどないの もう届かない言葉を 書き留めてみただけ 君の涙は乾いた冬に 落ちる一輪の優しさ 吐息が白く冷たくて 君を思い出す 二人が過ごしていた部屋は きっと変わらずにあの坂の向こう 古くて小さなアパート 沈丁花の花咲くあの路地抜けて 懐かしい人の顔を見たくて