火星と、金星と、木星には、 とっておきの場所が私だけのために ちょっと冷たい空気で隔てられた 部屋と外くらいの距離に見えるのに どんな音がする雨が来る? 肌に触れてから光る? 眼鏡を忘れていた今日はなんか アルタイルじみている 手に取ると内側でさえも キラキラしてしまう 稲妻、金属と、霧の匂い、 幸せなことが起こるとまで 思っている 毎日曜日のラジオは流れていても 開け放った窓のせいで巡り切らない どんな色のする電波が行く? 目がチカチカして困る? ブラシでぼかしたみたいな雲だって 浮かんでいる 甘いはず 飛び乗るとカノープス、 夜でもピカピカしてくれる 窓枠がビリビリと 鳴っていたあのとき、 そびえる時間、気配、 影がどうやらズラされたみたい 銀色の月を浴びてから 寝返りをうったからかな? どんな風に笑う声がする? 惹かれるもので溢れている? わあ、 指の爪が貝殻みたい!って 驚いちゃう 普段着も、前髪も、まつ毛も、 心も、全部輝く星で、 どんな夢を見る? ファイルしている手書きの原稿を タイプしている ちりばめられただけの文字もなんか アルタイルじみているゲシュタルト 思い出す度にキラキラしてしまう、 そんな気がしている