誰もが欲しいもの わたしは欲しくない 身体中 星をまとったあの子の 心はまっくら わたしが欲しいもの 誰も欲しがらない 頼りない 腕を広げた彼の やさしい微笑み 哀しみを 押しやるような ひかりに飢えた世間が なだれ込み 奪い去ろうとも 消えない空のような 歌 誰もが本当は わかり過ぎてるはず けれども 寒さに耐えきれずに 炎の中へ きりのない 椅子の取り合い 血まなこになった人たち 早々と 見切りを付けて ひとりでいるための 歌 哀しみを 押しやるような ひかりに飢えた世間が なだれ込み 奪い去ろうとも 消えない空のような 歌 わたしの欲しいもの わたしだけにあるもの ひそかに 記憶を訪ねたなら いつでも やさしい面影