誰かが言っていた 「人が死ぬことと遠くへ行って 会えなくなることに差異はあるのか」と 僕は言えなかった 答えが出なかった 僕ごときじゃ答えが出るような問じゃないのに 走る走る鼓動が走る 揺れる揺れる心が揺れる 逃げる逃げる君のいない方へ 僕もいつかは散るんだってね 壁に向いて咲いていた 花もいつの日か 日の目を浴びるその日 その時を待っているんだ それはまるで僕の 生き写しの様で 可哀想で愛おしくて 指先でそっと摘み取ったんだ 君が置いていった 手紙は今でも 開けられずに 机の上でただ僕を見ている 僕は見れなかった 勇気が出なかった さよならだと答えが出ることに怯えていたんだ 君はどこかで散ったのかな 壁に向いて咲いていた 花もいつの日か 日の目を浴びるその日 その時を待っているんだ それはまるで君の 生き様のようで 悲しくても愛おしくて 指先でそっと摘み取ったんだ どうせ散ってしまうのなら 君の傍では散らないように 枯れてゆくその時間も 君の瞳には映らないように 逃げるんだ 誰かが言っていた 「人が死ぬことと遠くへ行って会えなくなることに 差異はあるのだ」と