その昔冬はもっと寒くて 静かだった 振り向いた足跡で話し合った 僕らは雪の朝に 重なった部分だけで 疑ったり信じあったり 今の話で全て 片づけた 小さな白い細長い路地を 静かに歩きながら 忘れたいこともあって 覚えてたいこともあった それぞれが僕を覗き込んでる 笑顔と泣き顔で くすぐったいときがたって 物足りないときになって 空の泡も全部消えたころ 僕らは君と僕の2つに 離れ初めていた 時間がただ流れていく 静かにただ流れていく 全てをきざみこみながら 全てをひきずりながら 捨て去りながら 今も 今も 今も 様々なことがあって 様々なことを知る ゆるされるある人 それ以外のすべて 昨日より今日はもっと 今日よりも明日はもっと 照れながらもそう呟いていた 小さな声だけれど やがて君と僕は また僕らにかわる そしたらこの暖かい冬の木の道を 二人何も言わず行こう狭い歩幅で 行こう二人何も思わず 何も決めつけず 行こう二人溶けかけた雪に かかとを濡らしながら 僕らは流れてく 全てを刻みつけながら ときどき立ち止まる ときどきさかのぼる 僕らはながれてく ひきずりすてさりながら ときどき加速する ときどき振り返る