手垢にまみれた街を今 洗い流していったんだ ねぇ僕も慰めて 死んだ友達の命日も 思い出せなくなっていた 蛇口から水を飲んでも せめてこの風邪が治らないうちは そばにいて 朝も沈むくらい降り注いでいて なにも聞かないで 毛布の温度と溶け合って 境い目すら失ってしまえたらいいの に せめてこの熱が下がらないうちは そばにいて 夜も凍るくらい降り積もっていて 何も言わないで 窓は開けとくよ せめてこの瞼弛まないうちは そばにいて 空が歪むくらい構わないでしょう どうかこの冬が終わらないうちは 無垢な折りみたいに降り注いでいて 何も聞かないで