夏の模造品を あなたは幾つも持っていた 極めて風流な 日傘から覗く永遠や 今でも夢に見るのさ 僕はもう どこにもいないから 縋っちゃいけないよ 凛と咲いておくれ 陰謀を謳歌した 終わり無きその生命に 水滴のような解 それも偽りと言うなら 軋む黄昏 靡く鉄 遍く全てに本当なんてないね 遮るように 翳した掌に掴ませる便箋 熱りのさった空を仰いだ 日焼けの跡だけがそこに残った 波のさらった砂に描く点線 夏のような あなたのような それは二度とは来ない季節 刻む 僕はもうどこにもいないから 泣いて笑ってよ 造り物の愛で さよなら あなたと凪ぐ街よ 遠く 遠くへ 滲む水平線へ