アルデバラン燃え盛る 太陽より遥か向こうにいる 赤く点滅する星たちは もうすぐ終わる定めにある 君が生きたその一生は 君自身に何を与えただろう オレンジにきらめくその熱は 何かを叶えたあとの光か 摂氏マイナス10を切る この冬はひどく饒舌である 銀色に弾ける電線が あらゆる言葉を切り刻む 僕が消えるその一瞬に 僕自身は何も感じぬだろう まっ黒く抉れる土の上 悲しみ 怒り いつかは果てる この命が止まって ほどけ落ちゆく先で 巡り戻れぬとして それでいい それが正しい 出会えた者たちよ 出遭えなかった存在よ またいつか なんてない さよならだ いまだ未観測の星たちよ 誰の目にも留まれない今日を リゲルよりも強く青く 瞬いて泣いて生きるがいい もう戻らぬ感情たちよ その名前も思い出せないままで 光よりももっと速く 燃え尽きて落ちて消え果てればいい アルタイルが飛んでゆく 太陽より遥か向こうをゆく かつて対を成した鳥は今 笑われ堕ちる定めにある 誰が生きて死ぬ一生も この宇宙はどうでもいいのだろう 帰るべき方角照らし出す 北極星すら歳差で逃げる 日々観測史上初 この夏はひどく蒙昧である 金色に輝く太陽が 全ての思いを怯ませる 僕が描くどの一瞬も 僕が歌う一切合切も 何一つ残らず消えてゆく 何にも残せずこのまま果てる それならば僕たちが生まれて死ぬ 理由とは? 分かりきった答えの蓋を開くことが 恐ろしい 出逢えた僕たちよ 願わくばまだもうちょっと 共にいたい なんてな 冗談さ いまだ未観測の星たちよ 誰にも届かない声を よだかよりも強く高く 響かして叫んで生きるがいい もう戻らぬ感情たちよ 僕が潰えたこの未来で 光よりももっと速く 燃え尽きて落ちて消え果てればいい