手を握って 唇を重ねて 恋人の真似事 貴女はいつも こんなことしてるの 僕以外の誰とも? 丁寧に巻いた髪 さっき知り合ったばかり 他愛のない語らい も、そこそこに、貴女は裸に 真っ白いベッドの上 独りが寂しい夜 今夜は貴女の胸に 包まれて眠りたい 手を解いて その首筋に触れて この夜を捧げよう 貴女はなんで こんなにも艶めいて 持っていかれそう 笑うと 浮き出る猫の髭 チラ見せする八重歯も可愛いね じっと見つめないで そんなずっと見つめないで だだっ広いシーツの上 やけに空いた隣 明けるまで貴女の背を 包んでいたかった ただ身体を ぬるい海に沈めて この夜を越えよう かき捨てて全て 僕の恥を全て 愛に喩えよう 薄明かりで貴女は舞い踊り 胸はあれども羽根が無い蝶に うなじからほのかに甘い香り やっと盛り上がったばかりなのに その 手を 手を握って 唇を重ねて 恋人の真似事 今だけは僕の 僕だけのものでいて なんて甘い戯れ言 手で弄って 肌と肌重ねて 刹那の秘め事 朝陽が登れば 全て夢幻 なんと愚かな痴れ言 なんていくら言えども 丁寧に巻き直した髪 猫の髭見せて貴女は笑い この部屋に来ることは二度とない
