夜、忍び込んだ プールサイドのかおり 駆け寄って水蹴れば、 黒い水面が揺れて 流離のごとく連れ回されていた ひぐらしが心地よく聞こえて それ正に13 そういえばもう夏だった 風鈴とセミはガンガンに鳴いていた おさげのあの少女はどこに行くのだ 風薫れば終わる様な気がしていた。 キミの長いスカートが 薄手の赤い水玉が ふわり揺れてそしてゆっくりと ゆっくりと水に沈んでゆく それ正に13 大きな花火が鳴っているのだ 蒸し暑いが、プールの水は冷たくて 自分錯覚して虚ろって 幻を見てる様で、 ぼやけて遠のき おれは何故か動けなかった 趨勢、そして足並みは 変わっていくのだ。