這う 紛う 頭蓋を引き掴まれ揚ぐ 善意の見えざる手 違い 有用を錯覚し有耶無耶に被り 諭し 然して なして 知らされない内に 摘出予定を組み 前にして なして 石膏の畳上 奉ぐ嘉の寵児 「恥を知れ」と詰る 同期は 両目備うその身を 讃えていた 声高に自由気儘 上層の権化 想外 鋏を取って 挙動 狂わせて 自分の眼に刺した 目を掻いて潰し 流血の阿鼻叫喚が今 嗚呼、忽然 死の不穏が蔓延る 嗄れてきた濁声に 痒い痒いと穿り回し ギラリ跳ぶ神経と目玉が 背後に見えるは 刳縹 その姿 ゆらりと蜃気楼味 揺れ微笑み 痛い痛い苦しいが聞こえなくなる 鮮やか血溜りに 肉片となった躯の温血 今日の昨日で 彼の机に花が生けられた 隣の席の同期が欠席していました 遺った静脈血の固まる黒ずみが 裸眼の酷い有体を語り続けた 夕焼けが迚も紅くて 昨日遭った惨死を讃えるような 無慈の自然さに 皆が黙した 沈殿を破るは予鈴 その出席表を認めようとして 壇上の照明下 顔面共引き摺り回し ぐじゃり、眼球 自ら擦り出して 脈を打って相乗に噴出口 鋏を探す 近づく事など出来ぬままに 眼窩へ差し込むに 刳縹 その指が ふわりと気道を絞めて 血筋浮かび 人だった形相は緑青を経てやおら 蒼白になる 鮮流血とは対補を成して 遂は今日で僕以外の全員死に曝さ 皆 目を鋏で抉り首を落としまし 管を切る音が 骨砕音が 今も残るが 意味不明に 閑散へ遁走し 舎を飛び出した 今は只 走れ 走れ 何かに屠殺されて了わぬように 鉛のように重い 瞼と全身 行き着く川沿いの道 見覚えのある聖女が振り向いた 眼球と視神経が路上に和えて紅く 蔓延る 死骸の向こう側にて覇気を帯びた 照らさる 後光下でその慈悲深い御顔は 「水色クラブは貴方の味方です」 と告げた 人の形相した刳縹 その姿 嗚呼、温厚の正にその形が 「君もきっと辛く 苦しんだでしょう? だからさ」 「一緒に思想害者を殺しに征こう」 「さァ、思想害者を制しに征こう」 「さァ、 健常から自由を取り戻そう」 「さァ、眼球を刳れ その憎しみで」 「さァ、忘れる勿れ あの迫害を」 「思想害者を制しに征こう」 「思想害者を殺しに征こう」 それが正しいと思えなかった僕は、
