最初の切っ掛けは憶えてる 月の明るい夜 まだ幼い僕らの庭 世界の全てだった 玩具の指輪で交わした約束 ”ずっと二人で居よう” と 例えばこれが戯曲の一幕で 用意されたシナリオでもね 君と大人になっていけるなら こんな配役通りも悪くはないさ いつしか広がった僕の庭 増えた人の数で 無邪気なままじゃ居られずに 顧みる事もなく 臆病な君は変化を嫌って ”ずっと二人で居よう?” と 例えばこれを悲劇と呼ぶのなら 誰も知らない明日を演じ きっと望む情景を手繰るから 星の見えない闇夜も 終わりじゃなくて 口にした途端足を忍ばせて 近付いてくる不幸を 恐れて現実に成るなら なんて皮肉 例えばこれが戯曲の一幕で 用意されたシナリオでもね 君と大人になっていけるなら こんな悲劇もただの魅せ場 いつか僕らが帰る時が来たら 広がった二人の庭から 次の劇の新たな幕開けを 色褪せた指輪越しに見守る役で 月の明るい夜に。