目を閉じたはずなのに どこかで 誰かの声がした 「いなくなっていいよ」じゃなく 「いてくれてよかった」って そんな気がしただけ、 かもしれないけど 息をするたびに まだ痛みが戻ってくる でもその痛みが わたしを 繋ぎとめてる気がしてた ほんとはね 消えたいんじゃなくて 消えなきゃって思い込んでただけ 泣きたくても 涙も出なくて ただ静かに ただ静かに 誰かを待ってただけなんだ ここに、いたかっただけ 誰にも見つけてほしくないと 願っていたのに ほんとは 誰かに 「気づいて」って 叫んでた 心のどこかで ずっと ひとりきりで 終わろうとして 誰にも頼らずにいた だけどたぶん わたしは わたしを見捨てたくなかった 優しさが怖かった でも、無関心よりはずっとよかった ただ、そっとでいい 「生きてていいよ」って 言葉じゃなくても そのまなざしだけで わたしの世界が 少しずつほどけた ねぇ、もしも 今ここに まだ誰もいなくても わたし自身の声が かすかに かすかに 聞こえる気がして── 「大丈夫」ってまだ言えないけど もう一度 息をしてみようかな 何かが変わるわけじゃなくても この夜を越えて また朝が来るのなら それだけでいい わたしは まだ、ここにいる