頬を撫でる風が 雪の雫に変わる 暗い空の意味を 問いかけては微睡む 目に入る何かが 全て触れなくなる 私を呼ぶ声が 鈍く鈍く這い回る 無自覚で器用な誹謗中傷 多様な反応 持続的な嘲笑 詰問の様なアラーム くるくる回った機械の眷属 どうか心臓を穿つような一矢を 銀色の軌跡を願う 溢れ出した水面が 降り注いで膿んだら 睨みつけて良いから 私を見つけて 引き絞った言葉を 空に向け放つから 凍り付いた世界を 地に叩き付けて ただ前へ 前へ 無表情で人を穿つ構想 疲労の兆候 心理的な抵抗 プライドを模したフラッグ 素知らぬ顔をした防衛本能 泣いた私が見ていたのは ありふれた喉の音で出来た 影も残像も消えた光 握り締めた怒りが ふと消えた気がした 種の無い明日を 雨が満たした 優しかった世界が 遠くなってしまったな 雪解けの季節は 風が強くて 弾け出した想いが やっと前を向いたら 黒い火傷の痕を 弓懸で隠して 紡ぎ出した言葉は 至る正鵠まで 闇雲を突き抜けて いつか貴方へ ただ前へ 前へ