春 水色の雨が 降る 明け方五時の街 雪 融けだす道の端 すぐ顔出す 虫と子供たち さめざめ やまない雨と どこかで吠えてる犬と 乾いた 昨日流した涙 逃げようのない日々と閉ざした心と そして また この雨が僕を濡らすときに 凍てついた胸の氷も 融かしてくれるのか やがて またこの声が 君に届くときに 君の心は僕に何を語るのかな 聞かせてよ 午前九時 六羽の烏が 黄色の袋をつついている 投げ捨てられた煙草が 路面の雪を融かしている いつしか止んだ雨の 臭いが鼻に残る 頭の中 染みついた雨音が 僕の心に降り続く だけど まだ この胸の雪は積もるままで この心 この涙 すべて凍えてしまっている やがて またこの街に春が訪れたら 凍てついた胸の氷も融けるのかな 教えてよ