滲む光の行方に高層群 肩を濡らし歩いた 雨の月曜日 ぼんやり夜は更けていく 遠のくフェリーの汽笛が 街にふりそそいで 波のリズムに心を寄せた 長い冬が二人を遠ざけて すれ違う唇から こぼれ落ちた悲しい景色 通りを満たした陰にまぎれて 星灯りも届かない夜は 忘れじの名残りに漂う やがて訪れる朝も 君も 繰り返し落ちる雫に映って 流されてしまうだろう 僕はそれを ただ眺めていよう いつかどこかで出会った二人 不確かに揺れる 君の面影に胸を焦がした 遠い旅路から憶い馳せて はじけ飛んだ光の礫が夜を抜け 幻を照らす せめて夢の中 君を抱き寄せて眠りたい