夕日に染まったワンピースの袖に 触れようとした⼿を 握りしめた記憶が 僕の海で溺れている 薄ら日の中で眠るアイビーは今 気づかない間に くたびれていたみたいだ 今更涙を注ぐ フィルムに飲み込まれた 小さな日常が 咲いていたことさえも 忘れてしまえたら 君のいない世界で 止まった時間を 抱きかかえてなぞるたび息を吸う ⽢い蜜が照らしたあの日々はもう 思い出になってしまった 吐息を重ねて触れる違和感は今 気づかない間に 深い溝に膨れて 乾いた夜風を流す 僕の名を呼ぶ声が あの日に連れ戻す 最低な結末に 身を任せた今も 喉に残る匂いに 誘われては 戻れないと知りながら⼿を伸ばす 君の蜜が濡らした心だけが ひとつ置き去りのままで 偽物の花びらを付ける愛染の中 履き違えた幸せだと 分かっていても そのままでいたかった 君のいない世界で 止まった時間を 抱きかかえてなぞるたび息を吸う ⽢い蜜の幻に⼝づけを 思い出に変わる前に 君がいたこの場所で 咲いていたあの日々を 大切にしまうように 言葉を吐いた夜は 君のいない世界で 死なない花のまま 思い出になってしまった