営みを食べ過ぎて太った 山手線から吐き出され 人の輪に紛れては 足元に転がる僕の夢 「変わらないな、安心したよ」 笑うあいつ、焦る僕 No way! 確かな未来が 欲しいわけがなかったのに 君が差し出した ビー玉越しの世界は 逆さまだった 向こう側なら 僕は主人公なのか? 難解な夢物語だってこの手の中 プリズムに通す次のページを 待ちきれないでいる 何者にだってきっとなれるような シンプルなステージの上で 変幻自在鮮やかなストーリーを 探し続けている 君がくれた栞をこの胸に 肩書きを投げ捨てて残った この体は誰なのか 独りでに頬を伝う 雫は何なのか 君が身に纏ったルージュの あどけなさまで 羨ましいと 思ったほどに 僕は不甲斐ないままだ 残酷なセリフを写しとった この目の奥 ガラクタのように見える全てを 捨てきれないでいる その中の僕に期待しているんだ 軽やかなマジックのように 限りある形を変えて今日だって 歩き続けている 路に咲いた祈りを花向けに 風に踊る君のスカートを 見つめるたびに この頭のどこかが揺らいで痛いや 理想ばかりを 僕は追いかけていた 紅く滲んだ夢を 今この手に握って幕を上げろ 目眩く景色、次の一歩を 踏み出せる気がした 何者にだってなれる僕たちは カラフルなリズムに乗せて 呆れるくらい華やかなストーリーを 紡ぎ続けている 青く澄んだひとつの者語り