暗い、暗い、暗い、空間の中 ひたっひたっと滴る水音 ドッドっと止まらない動悸 額から滲み出る脂汗 暗くて 明かりひとつもない長い廊下を 一人で歩く 恐る恐ると歩く 手に持った 鋭い刃物がぎらついている 暗く湿った浴室の中 水が溜まった桶の隣に横たわった 人形を 手に持った刃物で突き刺した 流れで聞いた都市伝説 思わず持った興味本位 体感、実感したいが故に のしかかった後悔 突然止んだテレビの砂嵐 揺れ動く蝋燭の火 あちこち鳴る怪奇音 近付いてくる死の足音 逃げ隠れた部屋の扉の向こうで 誰かの声が聞こえて思わず耳を 塞いだ 異常に重く恐ろしい気配を 感じたんだ 息を殺してじっとやり過ごす 「どこにいるの?ここにいるの? いい加減に出てきなよ。 刺された傷が疼いて 仕方ないんだ。」と その声を聞いた時、 叫びそうになる声を飲み込んだ 恐怖に支配される まだ夜は長い このかくれんぼはまだ 始まったばかり 時間が長く感じる 部屋の片隅で縮こまる 頼むから見つけないでくれよ 頼むからこっちに来ないでくれよ ひどく冷たく吹いた 隙間風にあてられ寒気が止まらない チカチカ鳴る電灯 迫り来る謎の黒い影 逃げ隠れた部屋の扉の向こうに 何かがいる… 逃げ隠れた部屋の扉の向こうから 禍々しい殺気を感じて思わず 身震いした 明らかにこちらを 見つめているような気がしたんだ 声を殺してじっとやり過ごす 「どこに隠れてもいてもボクは 必ずきみを見つけ出してみせる。 だって他でもない君がボクを呼び 覚ましたんだから。」と その声を聞いた時、 思わず悲鳴をあげそうになった 恐怖に支配される まだ夜は明けない かくれんぼの終わりの時間の アラームが鳴った さぁ、そろそろ終わらせようか 「オレハイツモ影カラオ前ヲ見 テイル。 次ハ必ズオ前ノ寝首 ヲカイテヤルゼ…」