火照ったアスファルトが 蒸発する匂い 止まった空間を掻き乱す 虫取り網 終わっていく 夏の午後の気だるさから 人の気配が消えていく 至って陽気な向こう見ずの青空 すみっこ 押し遣られて 積もり積もったもの 渡っていこうか あの入道雲 夕立がくる 雨音に紛れて 死に絶えるほど泣くとき あなたが隣にいたことなど 一度もない その掌の優しさには甘んじない 全部一人で背負うよ 決まって 全て何一つ 長くは続かない あさっての方へ 飛んで消えた眩いもの 黙って見送る もはや悔やむ気さえもない 幸せは死に絶えた 土砂降りに捧げた 貴重な大事な命 あなたに知らせる 必要性は見い出さずに さよならの意味は きっと履き違えられる ならば いっそ もう 何も 終わっていく 夏の午後の気だるさから 少女が夕立に消えた