赤信号が点滅して 原付の上で丸くなった 首輪の付いた黒い捨て猫と 1000のバイオリンを歌っていた 天才でも不向きでもない 本当の意味で凡人だから ただみんな誰しもが持ってる 青い心に火を付けたんだ お気に入りの 歌を僕は 何度も繰り返し 聞いていたのは そう 攻撃的で 優しい歌が 好きだったから 少し肌寒い夜風に 吹かれて僕は 空を見上げた 何故こんなにも 空は広いのに 目の前は暗く 狭いのだろう あの夜は まるでそうさ 月が揺れて落ちてきそうだ そう見えてしまうのは 目に涙が溜まっていたから 主人公になれなくていい 端役でいい 僻まなくていい この泥だらけの日々に僕は 愛しさを抱き 生きているから 風が吹く 強く僕の 背中を押して少し速くなる そう 明日もまた 今日の続きを作っていくから