明滅する信号機は 先のない道へ進もうとしている 凍傷を負った爪先から 先のない道へ進もうとしている 掻き壊した唇が 吹雪に濡れ、痛み、そして乾く 履き潰した偽善が 吹雪に濡れ、痛み、そして朽ちる 足が前に進まない 半目、呼吸を乱す ただ一つの為だけに 襤褸の体は軋みながら進んだ あとは壊死して眠るだけ。 明滅する信号機は まるでうたた 寝をしているように見えた 紫色の遺体の僕を まるで嘲笑うかのようにも見えた やがて雪に沈み込む 半目、呼吸が止まる まだ進むと呟いて 襤褸の体はもう動かなくなった あとは壊死して眠るだけ。