不幸の全ては形骸化して 装飾品として彼らを彩る。 今年の冬は特別に寒い。 ぬくもりが本物の不幸に思えた。 ぬくもりが 本物の不幸に思えたんだ。 いのちが突然軽く感じても それに身を任せないで。 天秤はうまく釣り合っているから 僕だけを取り残さないで。 日曜日はいつも焦っている。 唱えた呪詛をうまく隠した。 今年の冬は特別に寒い。 ぬくもりにいま手が 届きそうに思えた。 ぬくもりにいま手が 届きそうに思えたんだ。 いのちが突然軽く感じても それに救いを求めないで。 風船は空のどこかで割れるから 記憶だけを取り残さないで。 愛想笑いで誤魔化した不快感も 捻れた身体を元に戻す痛みも 歌えない歌を愛してしまうことも 喋りたくないあらゆる過去も 眠れなくて朝を待った夜も 空洞になった部屋の虚しさも 悦びの背に常にいる不安も この世に産まれ落ちた絶望も ぜんぶぜんぶ、 不出来な僕がわるいから。 なかないで。 そばにいて。