なあ、少年 最初っからランプが 奇跡を起こした、なんてことはない お前が、ただ、ただ、 綺麗好きの善良なやつだっただけ 洗濯機も冷蔵庫も、電子レンジも 気づいた時には 壊れていた 人間だけ少しばかり、長持ちする ゴミ箱に捨てることも叶わず 過去から続く今を 生きられずに 未来に向かって今を ただ生きている 明日、 ついに壊れちまうんじゃあないかと 望んでるように 怯えている なあ、少年 最初っからランプが 奇跡を起こした、 なんてことはないんだ お前は、ただ、ただ、 綺麗好きの善良な 奴だったってだけさ いつまで 曖昧な因果関係に 魔法という名をつけては 最愛のわかりやすさに 満足してんのかい? せっかくやっと辿り着いた好き 嫌いも 気づいた時には 歪みきっていた 響きのいい 洗脳にしないためには ダイヤモンドのような 自分でありたい イントロから続く 破綻した主張を アウトロまで薄めてのばすような 会話をずっと繰り返して 続く延命と 夜中のチャイムに 怯えている なあ 少年 最初っからランプを 擦っても、壊しても 変わりやしないんだ お前が、ただ、ただ、 日々を脅かす敵に勝ったってだけさ いつまで淡々と、 物分かりのいいような顔しては そうやって、心無い声に 隷従してんのかい? ああ 老人が言う つまらない小言が やさしく どうして それを捨てられよう? 花咲く環を枯れても ずっと なあ、少年 最初っからランプが 奇跡を起こした、 なんてことはないんだ お前は、ただ、ただ、 綺麗好きの善良な 奴だったってだけさ いつまで 曖昧な因果関係に 魔法という名をつけては 最愛のわかりやすさに 満足してんのかい? 最愛のお前が 生き抜いたその先の この世界を願う