ひらひらと舞い落ちる 散り遅れた花 季節はもう疾に枯れている 覚束ない嘘じゃ上手に 自分さえ騙せやしない 肩先に降る花びら 六月の風 頬を過ぎる 振り絞る言葉が涙を道連れにする あと何年何日早く 出逢えれば正しかった 二人を匿う 月のない星空 この夜を越えれば それぞれの始まりへと帰るよ ささやかな秘めごとは 知れず首をもたげ 夕闇の合図でももう戻れない 仮初めの心はいつしか 表と裏を覆した 季節はずれの花びら いたずらに僕の元を選ぶ 出たがりの涙が言葉を人質する 今 一瞬一秒ごとに差し迫る終末へ 二人を見送る 月のない星空 この夜を越えれば それぞれの始まりへと帰るよ 何もかも捨てるには僕ら 大人になりすぎていて わかってる 声に出したら もうひとりでは帰れない 走り出す足に絡み付く 思い出の破片は あと何年何日待てば 色をなくすのだろう 二人を匿う 星空が燃えていく この朝が明ければ もう二度と名を呼ぶこともない人