桜の樹の下では 数え切れぬほど 誰かの想いが 儚く散っていく 春先の風に靡く花弁のように 花吹雪舞い上がる 夕暮れの並木道を 駆け抜けたあの少女は 前も見ず走り去っていく 浅緑 揺られている 日差し照らす昼下がり 頬染める少女は消えていた 移りゆく季節の中で 無常な世界は変わっていく 心も身体も 記憶も思い出も 君への想いさえも 遮る陽の光が 眩しすぎるほど 2人の行く末を照らしている もう続くことのない物語だとしても 桜の樹の下では 数え切れぬほど 誰かの想いが 儚く散っていく 春先の風に靡く花弁が 2人を包んでいく 枯葉舞う木枯らしが 吹き荒ぶ並木道を 駆け抜けたあの少女は 明日へ向き歩み出していた 降り積もった雪 はしゃぐ子供たち かまくら 2人きり 結ばれた想いは 今でも強く強く 結ばれ続けていますか? 桜の樹の下では 数え切れぬほど 誰かが想いを告げてゆく 結ばれゆく想いも 叶わない願いも 愛も 恋も どれもが人生だ 恋焦がれて 散ったとして それでもまた春は来るから 季節を超えて 咲いた 花弁よ舞い踊れ 陽よ照らしだせ 雪化粧を溶かして 命よ芽吹け プロローグは今終わりを 迎えたばかりだ 桜の樹の下では 数え切れぬほど 誰かの想いが 儚く散っていく 始まりの鐘が響く並木道で 一片 散り往く