華やいでいたいわ 本気で 浮ついた心に 翳がさした あなたはもう一度 曖昧に傷ついて 誰にも気づかれないように 泣いていたんだね 小石を蹴って彼方まで 嬉しくなくても 笑えるようになったの? あなたはもう一度 自分のせいにして、疲れて 誰にも気づかれないところで 泣いているのか あなたはもう一度 幸せに向き合って、見つめて 誰かを傷つけないように 笑っていくんだね いつか走り回ったはずの小道 ジョウロから滴る水 飛行機ぐもを追いかける鳥 曇りガラスの向こうに見える 人形の影を何故かいつも眺めた 誰かが送り出す 誰かの後ろ姿が 途端に胸を小さくした 庁舎裏の塩素の匂いや 知らない家から聞こえる 子供の笑い声 青が赤に吸い込まれるさまを眺めて まだ赤いところを探して歩いた 苦しい時は手を握ってくれる 柔らかい頬を寄せてくれる いつか君の自我は爆発して 紙切れのようにひらひらと舞い散る そうしたら拾ってくれる 集めてはっつけてくれる 若しくは燃やしてくれる 長い一日は夏を澄まして 描かなくなった日記に もう一度脳を滑らせてみて 記憶に沈んだ場所にもう一度訪れる あの時あいつはどんな 顔をしてただろうか 嗚呼 もう空が高い 夏ももう終わりですね もっと果てしなく満ちて 行くように思ってた でも、 あの涙を流せただけでも十分です 終わりを告げる風のなかで やさしく瞼にしまって祈る そうしてこれからもやり過ごす たまに飛んだりしゃがんだりして いつか気持ちのよいところで 笑えるように ここは摩耗した季節 記憶の日差しが通りすぎる あの日私はどんな 顔をしていただろうか