ほどけても結ばない癖 気に入らないけれど 愛していた、のに 多くはない口数のなか 見過ごした祈りは 小さくも確かなものだった 紅いひな芥子に願い込めて 薄笑い 私はせめてこの手の中 くだらないよ、と嘲笑いながら いつまでも縋ってほしかったよ 脆く芽吹き出した 蕾となるあなたにいつか さようならが報われるような 言葉を渡せたらな 籠る呪いのように 気付かなくとも分かっている 意味のない約束をしようよ また初めましてのふりをしよう あの日の靴擦れの痕は 今でも少しだけ疼いて 等間隔の日々は まるで針のない時計のようで 腫れ上がった 紅いひな芥子を飾る日々に 映らない私の美しさよ 吠えて 頬撫でゆくは一番風 また一つ願いを込めている 遠のく記憶のように 降り注いだ陽射しは去り 二人のことを間引くような 言葉を思わせる 温さに負けないでいてよ ほの暗く見えなくなっても またひどく涙枯らしても 揺るがない心の奥 なんだか悪くないよ 季節を噛もう 今日も意味のない約束を 『柄じゃない』とか 元々柄がないじゃない 素敵な紋様を描いたら 初めましてのふりをしよう ほどけても結ばない癖 気に入らないけれど 愛しているわ
