火の点いた匙の排気をも飲み込み 浮遊した不服も皿に潰す (週末の消火処) 路傍に居座る目処無き若人よ 三色の指図に倣いながら拝む 回帰する車中の相 昼の渦を滅却して 手にした匙の味に興が凍える 鮮烈な機械音が不意に耳を刺す 操縦席の俺は 惑う光景に支配しているような 増長しているような 急激な自己否定に冷汗を垂らして 紛らわそうとして 感傷が呻きを甲高くさせる 屑と化した匙の残り火も果ててく 終焉を迎え入れ皿で潰す (終末の浄化場) 鮮烈な機械音が不意に耳を刺す 操縦席の俺は 惑う光景に支配しているような 増長しているような 不可逆な時系列に憤りを覚えて 紛らわそうとして 感傷が呻きを甲高くさせる 徒爾に終わりそうなこの徘徊の末に 再度匙を頂戴致す