何も持たずに部屋着のまま この家を飛び出す 昨日のいざこざを残したままに 風を切る 頬を撫でる月夜 空は激しく さんざめく 萎れたシャツのキミが 月を独り占めに 空は眩しくさんざめく 淡い期待を押し込めて また闇に紛れる 吐き出した言葉を ただ繰り返す 崩れそうな汗ばむ身体で 人混みの隙間を縫って駆け出した はるか向こう側で 化粧の崩れた君が 月を独り占めに 空は眩しくさんざめく 愛を忘れた一瞬のツケに 追いかけ回されて あの狭い部屋にまた戻される 夢か現か 君がつぶやく 「目を凝らして 夜明けが来るわ」 さんざめく 振り返りもしない君が 月を独り占めに 空は眩しくさんざめく 月で満ちた空と 脳裏にただ焼きつく 君の声を頼りに一歩ずつ いつまでもさんざめく