冷えた体と泥の匂い 汚れ帰った事を聞きたい その後浴びたシャワーが いつもよりも温いとか 大人になっていくにつれ 忘れていく些細な事も 僕にとっては大事な 君を確かめる為のプロシジャ 見えない傷を負ってる きっとみんながそれを覆ってる 隠しても全部バレている 同じように傷ついているから 消えない傷背負ってる それに触れない事を“理解”と言う ただ君にはさ そんな事出来なくて けたたましく鳴るサイレンに 少し顔強張らせ 何事もないフリをした 君が弱々しくって 居た堪れないと目を逸らす事の 何が“理解”だ 受け止めさせてくれないか 僕も一緒に傷付こう 知りたいんだ 君の世界に何が見えているか ねぇ、 何が怯えた眦を作り出したんだい 何処に出たって逃げようもない ままじゃ僕らきっとね。 生きられないと思うから、 いつだってここにおいで。 さあ。 「選んだモノと捨てたモノ、 それら全てが僕の宝物。 捨てた感触も覚えてる。 痛みだって我慢して向き合ったし、 選ぶ辛さも学んだよ。 ならば選んだ筈のコレは何? もう原型なんか残ってない。 僕は何を得たんだろうか?」 吐き出した不安 常套句 人はいつでもそれが 全てだと思い込むのさ 一度考えてみろよ 口に出す前気付いたんだ 苦しむ君にとって これは死刑宣告 痛みなんか君のもんだ 分かるわけがないよ じゃあ知らないと突き放せるか? それでいいと思えるのか? 「解るよ」って口に出すと それがクセになった あゝ、暴力に似た言葉だと 気付かない僕は馬鹿だ どうやら僕は傲慢だな 事態を軽く観ていた 安易な理解など意味がない 知っていた筈だった じゃあどうするんだって 僕は僕に訊いた 「逃げんな」 解ってたいし、知りたいんだ 今日の今日になってさ 情を持つことの覚悟と 向き合っているが 思い自体は嘘じゃないんだ 分かってくれと願う どうか、 これを愛と呼ばせてくれないか 理解は愛だ 視界に入った 君が僕を見てた ああ、そんな顔をしてほしくて 愛を吹っかけた気がした 思い出達は玩具箱に ガラクタのように入れた もう教えてくれなくても良い 温もりで伝うから 知りたいんだ、知りたいんだ。 冷えた体と泥の匂い、 汚れ帰った事を聞きたい。 その後浴びたシャワーが いつもよりも温いとか。